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2013年7月

2013年7月26日 (金)

管理職と「管理監督者」

前回に引き続き管理監督者の話です。 「名ばかり管理職」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。 この言葉が一般に広まったのは、前回取り上げたマクドナルド事件(東京地裁平成20年1月28日判決・判例タイムズ1262号p221)でした。マクドナルドの店長が「管理監督者」に該当しないという東京地裁の判決は、各種メディアで大きく報道され、大きなインパクトを残しました。

法律上、「監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)は残業代を請求出来ないとされています。そのためか、会社によっては、人件費削減の目的で、管理職という役職にある者には、残業代を支払わないというケースもありました。 

しかし、会社が管理職としていても、裁判所が法律上の「管理監督者」ではないとした例としては次のようなものがあります。

・建設会社の現場監督(光安建設事件 平成13年7月19日 大阪地裁判決)

(勤務時間の自由裁量は無く、管理職に見合う手当なども支給されていませんでした。)

・学習塾の営業課長(育英舎事件 平成14年4月18日札幌地裁判決)

(勤務時間が厳格に管理されていました。)

・プラスチック工場の営業開発部長(岡部製作所事件 平成18年5月26日 東京地裁判決)

(管理職として役付手当の支給などを受けていましたが、人事労務の決定権等がなく勤務時間も自由に決定できませんでした)

岡部製作所事件では、部長職のような高い役職にある方でも、「管理監督者」には当たらないという判断が下されています。「管理監督者」に該当する要件は結構厳しいのです。

 

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2013年7月19日 (金)

名ばかり管理職の残業代請求

一般の従業員は残業代請求でき、管理職は残業代請求はできません(注)。

「監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)については、一般の労働者と異なり、時間外労働や休日労働に関する残業代は請求できないとされているからです(労働基準法41条)。

この仕組を悪用して、店長に残業代請求させないという扱いをする会社があります。
本当に管理監督者にあたるのであれば法律違反はないですが、名ばかりの店長で実質的には一般の労働者と同じという場合は問題です。

管理監督者にあたるかどうかは、名前だけではなく、実態から判断します。

判断ポイントは次の3点。

1 職務の内容・権限・責任の程度(企業の経営に関わる重要事項について、どのような関与をし、権限を有しているのか)

2 実際の勤務態様における労働時間の裁量の有無、労働時間管理の程度(出社退社や勤務時間について厳格な規制を受けていないかどうか)

3 待遇の内容、程度(その地位にふさわしい待遇がなされているか)

実際にこの点が争われた裁判例として、日本マクドナルド事件(東京地裁平成20年1月28日判決・判例タイムズ1262号p221)があり、ハンバーガーチェーン店の店長につき、管理監督者に当たらないと判断しました(つまり、一般の従業員扱い=残業代請求できる)。

残業代請求ができない扱いを受けている店長さんがいたら、是非弁護士に法律相談を受けてみてください。

管理監督者に当たらなければ、深夜労働だけでなく、時間外労働や休日労働に関する残業代も請求できることになります。


(注)もっとも、管理監督者であっても、深夜労働に関する残業代は請求できます(最高裁平成21年12月18日判決・判例タイムズ1316号p129)。

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2013年7月 9日 (火)

働き方の違いと法律上の取扱いについて

1  高校生・大学生でアルバイトをして,学業を終えるとともに正社員に。女性であれば,

結婚を機に仕事を辞め,パートで働きながら家事をする。

このような働き方が多かった時期もありました。

 しかし、今は働き方も多様です。

 「アルバイト」、「パート」など通常の労働者より勤務時間が短い労働者は,「短時間労働者」

と言われます(法律上)。

2 短時間労働者の中でも,「期間の定めのある雇用」と「期間の定めのない雇用」があり,法律上扱いが違います。

  「期間の定めのある雇用」というのは、平成25年7月1日から同26年6月30日までというように働く

期間が定められているもの。

 「期間の定めのない雇用」というのは、平成25年7月1日からとだけ決められているのもの。

 終わりの時期が決められているかどうかがポイントです。


3  「期間の定めのある雇用」の場合,
期間中に契約を終了させることは原則して許されないですが,期間が終わったら契約は終了します。

その後も働き続けられるかどうかは,再契約(更新)できるかどうか次第です。

  再契約(更新)ができなかった場合のことを,「雇い止め」と言います。

「雇い止め」をするかどうかは雇用主次第です。ただ,更新を何回も繰り返していたりすると,「雇い止め」が認められない場合もあります。


4  「期間の定めのない雇用」の場合,
成績が上がらなかった場合などの普通解雇,犯罪をした場合などの懲戒解雇,会社の業績が悪くなって人を減らす場合の整理解雇(いわゆるリストラ)によって契約関係が終了することになります。

5  勤務時間,仕事内容や給料などの待遇については,労働基準法,最低賃金法やいわゆるパートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)などの法律に違反しない範囲で自由に決められます(「労働契約」といいます。)。

  ただ,「労働協約」や「就業規則」などによって,ある程度まとまった人数が同じ待遇になる場合もあります。

  「アルバイト」や「パート」などであっても,「期間の定めのない雇用」であれば,基本的には正社員と同様,簡単に辞めさせることはできません。また,有給休暇など法律上与えられている権利は,「正社員」と同じように行使することができます。


6  「派遣社員」というのは,直接雇われている企業(派遣元)以外の企業(派遣先)で働く労働者のことで,上記の働き方とは違う部分もありますが,派遣元との関係は同じです。

  この「派遣社員」という働き方は,簡単に解雇することができるようにするため企業がこの様な方法を取っていたり,色々と問題があることから,労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)が作られています。


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2013年7月 3日 (水)

能力不足を理由とした解雇は有効?

会社の就業規則に解雇できる場合の規定があって、「労働能率が劣り、向上の見込みがない」場合は解雇できると書いてあったとします。


そんなときに、お前はこの規定にあたるから解雇と言われてしまえば、法律を知らなければ諦めてしまうかもしれません。


しかし、諦めるのは早い。一度弁護士にご相談ください。


解雇といわれても、その解雇は法律上認められないものかもしれないからです。



実際に、そのような就業規則の規定がある会社があり、訴訟になっています。


裁判所の判断は、「会社のした解雇は法律上認められない(解雇は無効)」というものでした。

(セガエンタープライゼス事件;東京地裁H11.10.15判タ1050号p129)


 能力不足で解雇が認められるには、会社側が労働者の能力をあげるための指導をしたのに、労働能率が上がらないという事情がないといけません。


 絶対的に労働能率が低く、教育をしても改善されないという場合は、解雇は法律上も認められる(有効)となりますが、そうでなければ解雇は認められない、このような判断を裁判所はしていると考えられます。


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