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2013年10月

2013年10月31日 (木)

改正労働契約法

労働契約法の改正が今年4月1日から施行されているという。岩永愛弁護士に聞いた。


-労働契約法という法律があるのですか。それが改正されたということですが、何が変わったのでしょうか。


「有期労働契約が5年を超えて繰り返し更新された場合、労働者の申込みにより、有期労働契約から無期労働契約へ転換出来るというルールが設けられました。」


-有期労働契約といわれてもピンとこないのですが、どういうことですか?


「有期労働契約とは、パートや、アルバイト、派遣、嘱託などに多く見られる労働形態で、期間を定めて締結された労働契約のことです。有期労働契約の反対が無期労働契約で、労働契約の期間を設けずに締結された労働契約のことです。」


-契約社員みたいなものですね。

契約社員も申し込めば、正社員になれるということですか?


「少し違います。

 無期労働契約者になっても、無期転換後の労働条件(職務、勤務地、賃金、労働時間など)については、別段の定めのない限り、有期労働契約のときと同じ処遇のままです。だから、正社員と同じ待遇になるわけではありません。

また、正社員になると解雇されにくくなるのですが、有期から無期に転換された後については、”勤務地や職務が限定されているなど、労働条件が正社員と大きく異なる労働者については、こうした限定等の事情がない正社員と当然には同列に扱うことは出来ない”とされておりまして、正社員と同程度に解雇されにくいとは限りません。」


-契約社員が期限を切られていたのが、期限は切られなくなる、そこが働く者にとってはメリットということですね。


「そうですね。このルールは、平成25年4月1日から施行されています。具体的には、平成25年4月1日以降に開始した有期労働契約が、通算で5年を超えて繰り返し更新された場合、無期労働契約に転換するよう労働者が申し込むことが出来るようになりました。」


-4月1日よりも前の契約は含まれないのですか。


「そうです。平成25年4月1日以降に開始する有期労働契約が対象で、平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は通算期間に含まれません。そのため、実際に無期労働契約への切り替えを申し込めるのは、最短でも平成30年4月からです。」


-すぐには労働者にとってメリットがでない法律ですね。


「そうなんです。しかも、このようなルールが出来たために、会社は、無期労働契約への転換を強制されるのを避けようと、今後は、有期労働契約者は、5年以上更新出来ないことを前提に雇用していくことが予想されます。

これまで長年、パートや派遣等で働いていたにも関わらず、会社から5年の契約更新時に契約を更新しないと言われるケースも増えてくると思われ、むしろ有期労働契約者の地位が従前よりさらに不安定なものになる可能性があります。」


-それでは、法律を改正した意味がないではないですか。


「そのような場合、契約締結時に会社が労働者にきちんと説明し、真に合意を得ていたかがポイントとなってくると思われますので、会社の対応に疑問を持たれた方はご相談にいらしてください。」



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2013年10月15日 (火)

【裁量労働制について】

今回は裁量労働制について、佐藤優樹弁護士に聞いた。

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-先日、厚生労働省が裁量労働制を拡大する方針とのニュースを見ましたが、そもそも裁量労働制とは何ですか?

あまり聞き慣れないのですが。


「裁量労働制とは、実際の労働時間とは関係なく、一定時間働いたと事前にみなして賃金を計算する仕組みです。」


-具体的にはどういうことですか?


「たとえば、一日の『みなし労働時間』を8時間、休憩を1時間と定めたとしましょう。

この場合、午前10時から1時間の休憩を挟んで午後5時まで働いても(実労働時間6時間)、午前9時から同じく休憩を挟んで午後8時まで働いても(実労働時間10時間)、会社は、いずれの場合も8時間働いたとして扱えばよいということです。」


-どうしてこのような制度があるのですか?


「労働者に働き方について裁量を認め、労働の量ではなく質や成果によって評価するという成果主義の流れに沿って導入されたものです。

みなし労働時間以上働いても原則として残業代は出ないので、短時間で仕事を終えようという動機付けになり、ワークライフバランスの改善への役割も期待されています。」


-どんな労働者でも利用できるのですか?


「いいえ。裁量労働制は、①専門業務型裁量労働制と、②企画業務型裁量労働制に分けられますが、いずれも対象業務は限られています。

①は、例えば、新商品・新技術の研究開発業務、科学研究業務、新聞等の取材・編集業務、放送番組・映画制作のプロデューサー・ディレクターなどが該当します。

②は、業種による限定はありませんが、事業の運営に関する事項についての企画・立案・調査・分析の業務について利用できるとされています。

また、労使の合意が必要であるなど、適用要件も厳格に定められています。」


-しかし、さきほどのお話からすると、なんだかいい制度のようですね。


「たしかに、さきほど述べたようなメリットはあります。

そのため、制度をより幅広く適用できるよう、法律を改正すべきだとの声もあります。

しかし、他方では、会社の運用次第では、残業代なしで労働者に長時間労働を強いることになりかねないとの懸念もあります。」


-なるほど。注意も必要ですね。ほかに注意すべき点はありますか?


「裁量労働制を適用するには、さきほど述べたとおり厳格な要件を充たす必要があります。

ですので、まずは会社がきちんと手続を踏んで要件を充たしているかを確認すべきです。

また、要件を充たし、裁量労働制が適用されるとしても、休日・深夜割増賃金は支払う必要がありますし、そもそも働いたこととみなされる労働時間が法定労働時間を超えていれば、時間外割増賃金も発生します。」


-裁量労働制だからといって、一切残業代を支払わなくてもよいわけではないのですね。

裁量労働制度だからと言われて割増賃金の支給が拒まれているようなケースでは要注意ですね。


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2013年10月 7日 (月)

出向

 今年の大ヒットドラマといえば、あまちゃんと半沢直樹。半沢直樹のラストは「出向」だった。今回、出向について髙井善達弁護士に聞いた。
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-出向とは何ですか?
 「労働者が自分の雇用先の企業(出向先)に在籍したまま,他の企業(出向先)において相当長期間にわたって業務に従事することをいいます。ポイントは,もともとの雇用先の企業に籍があるというところです。

 出向となると労務提供の相手方が変更されるため,重要な労働条件の変更にあたるし,不利益な労働条件の変更になることが多いので,裁判例上,就業規則や労働者個人との間などでの明示の同意がなければ認められないとされています。」

-同意がなければ,出向はできないんですね。
では,同意しないということで出向を拒否できる場合もあるということになりますか?
「個人の同意がなくても,就業規則等で出向を命じられたときは同意するという規定があれば同意したことになります。このような就業規則の規定があるかどうか確認する必要がありますね。」

そうするとやはり出向を命じられたら従うしかないのでしょうか?
「出向命令が権利濫用に当たるといえるときは,その出向命令は無効とされるので拒否できます(労働契約法14条)。」

-そうなんですか。具体的にはどんな場合ですか。
「① 労働条件が大幅に下がる出向
 ② 復帰が予定されない出向
 これらは,リストラを避けるためなど,企業経営上の事情がない限り,権利濫用になるとされています。
③ 労働者に著しい生活上の不利益を与える出向
④ 退職させることを目的とした出向
 これらも,場合によっては権利濫用になります。」

-出向命令を拒否できるかどうかは,どうやって判断したらいいんでしょう?
 「出向命令を拒否できるかは様々な事情をもとに過去の裁判例などを参考にしながら判断していく必要があります。素人判断は危険なので、専門家に相談した方が良いと思います。」

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出向を拒否できる場合があるとは知らなかった。
半沢も出向拒否をできたかもしれない。
納得出来ない出向については弁護士に相談してみたほうがよいようだ。

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