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2013年10月15日 (火)

【裁量労働制について】

今回は裁量労働制について、佐藤優樹弁護士に聞いた。

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-先日、厚生労働省が裁量労働制を拡大する方針とのニュースを見ましたが、そもそも裁量労働制とは何ですか?

あまり聞き慣れないのですが。


「裁量労働制とは、実際の労働時間とは関係なく、一定時間働いたと事前にみなして賃金を計算する仕組みです。」


-具体的にはどういうことですか?


「たとえば、一日の『みなし労働時間』を8時間、休憩を1時間と定めたとしましょう。

この場合、午前10時から1時間の休憩を挟んで午後5時まで働いても(実労働時間6時間)、午前9時から同じく休憩を挟んで午後8時まで働いても(実労働時間10時間)、会社は、いずれの場合も8時間働いたとして扱えばよいということです。」


-どうしてこのような制度があるのですか?


「労働者に働き方について裁量を認め、労働の量ではなく質や成果によって評価するという成果主義の流れに沿って導入されたものです。

みなし労働時間以上働いても原則として残業代は出ないので、短時間で仕事を終えようという動機付けになり、ワークライフバランスの改善への役割も期待されています。」


-どんな労働者でも利用できるのですか?


「いいえ。裁量労働制は、①専門業務型裁量労働制と、②企画業務型裁量労働制に分けられますが、いずれも対象業務は限られています。

①は、例えば、新商品・新技術の研究開発業務、科学研究業務、新聞等の取材・編集業務、放送番組・映画制作のプロデューサー・ディレクターなどが該当します。

②は、業種による限定はありませんが、事業の運営に関する事項についての企画・立案・調査・分析の業務について利用できるとされています。

また、労使の合意が必要であるなど、適用要件も厳格に定められています。」


-しかし、さきほどのお話からすると、なんだかいい制度のようですね。


「たしかに、さきほど述べたようなメリットはあります。

そのため、制度をより幅広く適用できるよう、法律を改正すべきだとの声もあります。

しかし、他方では、会社の運用次第では、残業代なしで労働者に長時間労働を強いることになりかねないとの懸念もあります。」


-なるほど。注意も必要ですね。ほかに注意すべき点はありますか?


「裁量労働制を適用するには、さきほど述べたとおり厳格な要件を充たす必要があります。

ですので、まずは会社がきちんと手続を踏んで要件を充たしているかを確認すべきです。

また、要件を充たし、裁量労働制が適用されるとしても、休日・深夜割増賃金は支払う必要がありますし、そもそも働いたこととみなされる労働時間が法定労働時間を超えていれば、時間外割増賃金も発生します。」


-裁量労働制だからといって、一切残業代を支払わなくてもよいわけではないのですね。

裁量労働制度だからと言われて割増賃金の支給が拒まれているようなケースでは要注意ですね。


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