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2014年1月

2014年1月20日 (月)

職場のパワーハラスメント

職場のパワーハラスメントが大きな労働問題になっており、職場内のいじめや嫌がらせなど、パワーハラスメントに関する相談件数は急速に増加しています。

厚生労働省の個別労働紛争解決制度の相談件数をみると、パワーハラスメントに関する相談は年々増加傾向にあり、平成24年度には、「解雇」に関する相談を抑え、「いじめや嫌がらせ」などパワーハラスメントに関する相談が、最も多い相談内容となっています。

パワーハラスメントに対しては、加害者である上司や同僚に対し、身体・名誉感情・人格権などを侵害されたとして不法行為責任を追及したり、会社に対して、安全配慮義務違反を理由に債務不履行責任を追及したりすることなどが考えられます。

もっとも、指導・指摘として許される範囲内として適法とされる場合もあり、ある行為が違法なのか適法なのかは、判断が難しい場合があります。

実際に裁判例を見ても判断は分かれており、たとえば、上司が「やる気がないなら、会社を止めるべきだと思います。」などと記載した電子メールを従業員やその職場の同僚に送信した事案について、第一審(東京地裁)は適法と判断しましたが、同じ事件の控訴審(東京高裁)は、第一審(東京地裁)の判断を覆し、許容限度をこえて名誉感情を侵害したものとし、不法行為責任を認めました。(東京高裁平成17年4月20日裁判例(労判914号82頁「A保険会社上司事件」)

職場のパワーハラスメントは、精神的・肉体的に大きなダメージを負わせる深刻な問題ですが、一方で適法か違法かの判断が難しい問題でもあります。職場内でのパワーハラスメントに悩んでいらっしゃる方は是非ご相談にいらしてください。
(弁護士岩永愛)

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2014年1月14日 (火)

【インターネットの私的利用を理由とした処分】

今や生活に欠かせないツールとなったインターネット。
職場でもインターネットに接続したパソコンを業務に利用している方が多いのではないでしょうか。

しかし、こうした状況を背景として、近時、職場におけるインターネットの私的利用が問題となるケースが増えているようです。
たとえば、業務用のパソコンで、私的な目的にインターネットを利用したことを理由に、会社から解雇されたり、懲戒処分を受けるといった事例です。

確かに、インターネットの私的利用は、労働契約上の義務に違反する行為です。
まず、勤務時間中、職務に専念するという義務に違反しています(職務専念義務違反)。
また、勤務時間外に利用した場合でも、会社に通信料金や電気料金の負担を生じさせるという意味において企業の秩序を乱す行為です(企業秩序遵守義務違反)。

しかし、このような義務違反があったからといって、直ちに解雇されたり懲戒処分を受けたりすることになるかというと、必ずしもそうではありません。

裁判例を見ると、使用した時間や頻度等によって処分の妥当性が判断されており、解雇や懲戒処分を無効としたものもあります。

例えば、東京地裁平成19年9月18日判決(労判947号23頁)は、ある会社の従業員が、約13か月の間に、合計32通の私用メールを送信したこと等を理由に会社から懲戒解雇を言い渡された事案において、解雇を無効と判断しました。

裁判所は、上記私用メールについて、頻度は1か月に2、3通にすぎない、内容も、取引先の関係者からの世間話に応じたもの、母校の後輩からの就職相談に答えたもの、社員との懇親会の打合せといった、やむを得ないものやその必要性をあながち否定しがたいものも含まれている、その作成に長時間を要し業務に具体的支障を生じさせたと解されるメールも存在しないとして、社会通念上許容される範囲を超えるものであったとは認められず、私用メールを禁止した就業規則違反に問うことはできないとしています。

この事案では、私用メール以外にも、業務に関する虚偽の報告や他の従業員に対する誹謗中傷等も問題とされていましたが、裁判所は、その具体的内容や経緯等を考慮して、解雇を正当化し得るほどの強い非難に値するものとは解されないとして解雇を無効と判断しました。

このように、インターネットの私的利用等、何らかの義務違反行為をしてしまったとしても、直ちに解雇や懲戒処分を受けなければならないものではありません。
会社から納得のいかない処分を受けた方は、まずご相談ください。

(弁護士 佐藤 優樹)

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