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2014年2月

2014年2月23日 (日)

身だしなみを整えるよう従業員に命じてよいか

従業員に対し、身だしなみ(服装・髪型など)を整えるよう命じて良いものか、悩む使用者の方は多いと思います。 
職場での身だしなみは、取引先への印象や会社の信用などに関わる場合もあり、私生活の場面では特段問題ないものであっても、職場では問題が生じかねません。

ただ、身だしなみは従業員の人格・自由に関わるものでもあり、職場において使用者が従業員に命令を出す際には、一定の限界もあります。

参考になる裁判例があります。
従業員の「ひげ」を剃るよう命じることが出来るかが争われた裁判例です。

Y会社のハイヤー運転手Xは、ひげをはやしてハイヤーに乗務していたところ、Y会社から、「客に不快感を与える」などの理由で再三にわたってこれをそるように指示・指導を受けましたが、Xは「ひげは個人の自由である」としてこれを拒否し続けました。

Y会社は、Xに対し、「次の勤務日までにひげをそりなさい。もしそらなければハイヤーに乗務させない」との業務上の命令を発しました。Xがこの業務命令に従わないで出社したところ、Y会社はXがハイヤーに乗務することを拒みY会社の事業所内に待機することを命じたため、Xは、ひげをそってハイヤーに乗務する労働契約上の義務のないことの確認などを求めました。Y会社は、勤務要領の中の身だしなみ規定で、ひげを生やすことを禁止していること、放置しておくと顧客に不快感を与えるおそれがあり、Y会社の職場秩序に重大な影響を及ぼしかねないなどの理由をあげて、業務命令は正当と主張して争いました

このような事案で、裁判所は、Y会社の業務命令の正当性を否定し、Xの確認請求を認容しました。裁判所は、勤務要領の規定で禁止されるひげは、「無精ひげ」とか「異様、奇異なひげ」のみを指すと限定解釈し、Xのひげは、格別の不快感や反発感を生ぜしめない口ひげであり、禁止規定に該当しないと解釈しました。

裁判例も、使用者が従業員のみだしなみについて一定の命令を出すことを否定するものではありません。ただ、命令には一定の限界があり、企業の円滑な運営上、必要かつ合理的なものであることを要するとされています。
非常識な身だしなみが職場において許容されないのは周知のとおりですが、使用者が従業員に対して命令を出す際には、一定の配慮も必要です。お悩みの際は是非ご相談下さい。

 ※参考裁判例:イースタン・エアポートモータース事件(東京高裁昭和55年12月15日判決、判タ434号p188)

(弁護士岩永愛)

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2014年2月17日 (月)

会社に秘密のアルバイト

 会社の勤務時間が午前8時半から午後5時半までの仕事で、残業の少ない会社だった場合、会社が終わった後に、アルバイトをすることは時間的に見れば可能です。

「会社が終わった後、アルバイトをしよう」と考える方もいるかもしれません。

しかし、多くの会社の場合、就業規則で、兼業(アルバイト)について、許可制として、許可なく、アルバイトをすると懲戒解雇とすると定められています。

 会社の許可無くアルバイトをしている方もいると思います。このアルバイトが、会社にばれた場合には、「懲戒解雇」(労働者に責任があり、それが原因で解雇すること)という処分を受け入れなければならないのでしょうか。

 参考になる事例があります。

 会社での勤務終了後、Aさんは、会社に隠れて、キャバレー(キャバレーというところが時代を感じさせますが・・・)で、リスト係という客の出入りをチェックするアルバイトをしていました。これが、会社にばれて、Aさんは、通常であれば、懲戒解雇されるところを、普通解雇(懲戒解雇と事業経営が困難な場合に行われる人員整理いわゆるリストラ以外の解雇のこと)をされました。Aさんは、解雇は無効だと争いました。これに対して、裁判所は、解雇を有効であると判断しました。

 「やっぱり、解雇されても争えないのか」と思われるかもしれませんが、この事例において、ポイントなのは、会社がAさんを懲戒解雇ではなく、普通解雇したという点です。
 懲戒解雇は、労働者に取って不利益が大きいものです。履歴書にその旨を記載すれば、再就職はできません。
 懲戒解雇が認められるのは、前例やその他の処分者とも比較し、懲戒解雇という重い処分で望まなければならないほど重大なことなのかという点を判断する必要があります。懲戒解雇であれば、Aさんの解雇処分が無効と判断された可能性は十分にあったと思います。しかし、会社の品位を害する、会社の対面を汚すようなアルバイトであれば、懲戒解雇が有効と判断される可能性もありますので、ご注意ください。

 やはり、会社に秘密のアルバイトがバレると、解雇され、この解雇が有効と判断される可能性は高いと言えます。会社に秘密のアルバイトはリスクが高く避けるべきですね。

参考判例:東京地決昭和57円11月19日(労判397号30頁)


(弁護士井川夏実)

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