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2014年3月11日 (火)

残業代を請求できるとした最高裁の判決

 実際に働いた時間が法定労働時間を超えて労働した場合には,会社は残業代を支払わなければなりません。しかし,会社は,法律をいわば悪用して残業代を払わないで済ませていることもあります。

 マクドナルドに対し,店長に残業代を払うように命じた裁判例をご存知の方は少なくないと思います。この件では,いわゆる「名ばかり管理職」ということが問題となりました。
 
この「名ばかり管理職」以外にも,残業代を払う必要があるかどうか問題になることがあります。それが,「事業場外労働のみなし制」というものです。
 これは,営業社員の様に,オフィス外で働いていて実際の労働時間を把握することが難しい人に対し適用することができる制度ですが,この制度を利用し,旅行会社が添乗員に残業代を支払わなかったことが争いになり,最高裁判所が平成26年1月24日,残業代の支払いを会社に命じました。

最高裁判所は,
①業務の内容が予め具体的に確定されていて,添乗員が自ら決定できる事の範囲,その決定についての選択の幅が限られていること,
②ツアー開始前に,添乗員に対し,具体的な業務の内容を示し,これらに従った業務を行うことを命じていること,③ツアー実施中においても,添乗員に携帯電話を持たせ常時電源を入れておき,ツアー参加者との間で問題が生じるような旅行日程の変更が必要になる場合には会社に報告して指示を受けることを求めていること,
④ツアー終了後には,添乗員に対し旅程の管理等の状況を具体的に把握することができる添乗日報(ツアー参加者のアンケートや関係者への問い合わせで正確性を確認できるものになっている)で詳細かつ正確な報告を求めていること
から,添乗業務について,添乗員の勤務状況を具体的に把握することが困難であったとは認められないとして,会社に残業代の支払いを命じました。

 この様に,「名ばかり管理職」かどうかということ以外でも,もらえないと思っていた残業代がもらえる可能性はあります。特に,営業社員で,詳細な業務報告を求められている場合には,認められる可能性も高いのではないかと思いますので,専門家に相談された方が良いかと思います。


(弁護士  髙 井 善 達)

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