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2014年4月

2014年4月28日 (月)

外国人労働者

 平成19年に改正雇用対策法が施行され、外国人雇用状況の届出制度が義務化され、厚生労働省によって届出状況が公表されるようになりました。平成25年時点の状況をみると、外国人労働者は71万7504人と義務化以来過去最高の数値となっています。

 このように、外国人を雇用する事業所が増えていますが、外国人労働との間では言語や慣習の違いから思わぬトラブルが生じがちです。このような現状を踏まえ、今回は、外国人を雇用する場合に注意すべき点についていくつかふれてみたいと思います。

 まず、事業が国内に存在すれば、外国人労働者でも、労働基準法をはじめとする労働者保護法が基本的に適用されます。労働基準法15条には、労働契約締結時に、使用者は、労働者に対して賃金や労働時間等労働条件を明示することが規定されていますので、外国人労働者を雇用する場合には、外国人労働者が理解できる言語で契約書を作り、労働条件を明示することが望ましいでしょう。
なお、労働基準法15条2項には、明示された労働条件が事実と相違するときには、労働者は即時に労働契約を解除することが出来るとされており、同法15条3項には、労働者が即時解除権を行使した場合、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合には、使用者は必要な旅費を負担しなければならないと定められています。

 また、改正雇用対策法の施行により、外国人労働者の雇入と離職の際、雇用主は届出をすることが義務付けられています(雇用対策法28条)。この届出を怠った場合、雇用主に罰金に処せられることがあるので注意が必要です(雇用対策法38条)。

 また、外国人特有の問題として、出入国管理及び難民認定法(入管法)により、外国人は日本に在留して働く場合に一定の在留資格を取得することが要求されているという点が重要です。就労資格のない者を雇い入れた場合、雇い主は不法就労助長罪として、懲役もしくは罰金に処せられることがあるので注意が必要です(入管法73条の2第1項)。在留資格の確認方法ですが、パスポートなどに書かれている在留資格の表示だけでその外国人が就労可能かを判断するのは一般の方には難しい場合が多いので、雇おうとしている外国人から、自分が就労出来る内容を示した証明書(就労資格証明書)を見せてもらうと良いでしょう。これは、外国人が法務大臣(入管)に申請することで入手出来ます(入管法19条の2)。

 このほかにも、外国人を雇用する場合、様々な対処が求められます。一度専門家にご相談下さい。


(弁護士岩永愛)

労働問題のご相談は無料(初回)
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千葉市中央区中央4-8-7ラインビル6F
法律事務所大地
http://www.lo-daichi.com/
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  平日午後5時~午後7時半、土日祝午前9時から午後7時半は、
  043-221-1388(相談受付専用)までお電話下さい。
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2014年4月21日 (月)

採用内定の取消し

前回、試用期間中の解雇について取り上げましたが、今回は採用内定の取消しについてです。

採用内定は、企業への就職が決まってはいるけれども、まだ実際に働いているわけではないという意味では、中途半端な状態といえます。

この採用内定という状態は、法律的にはどのような状態といえるのでしょうか(①)。
また、企業の側は、内定を自由に取り消すことができるのでしょうか(②)。

まず、①について。
一口に採用内定といっても具体的には様々でしょうから、ここでは、内定者に対し、ある時期には所定の事情が発生しない限り間違いなく入社させる旨の通知がなされ、他社への就職活動を停止して必ずその時期に入社する旨の誓約書を提出させているようなケースを前提とします。

そして、このようなケースの場合、裁判所は、労働契約が成立していると判断するのが一般的です。
ただし、企業側に、一定の場合には解約することのできる権利が留保されているとされることがあるなど、実際に働き始めている労働者と比べると、内定者の立場が弱いことは否めません。

次に、②について。
企業が内定を取り消すことがありますが、企業は自由に取消しをすることができるのでしょうか。

これについては、最高裁判所の判例があります(最高裁昭和54年7月20日判決・民集33巻5号582頁-大日本印刷事件)。
最高裁は、内定の取消しは、「採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られる」と述べています。

そして、この判例のケースでは、内定者の「グルーミーな印象」を理由とした内定取消しが許されないと判断されています。

他にも、客観的な裏付けを欠く悪い噂を理由とした取消し(東京地裁平成16年6月23日判決・判タ1163号226頁-オプトエレクトロニクス事件)や博士号取得のための研究を理由に入社前研修の一部に参加しなかったことを理由とする取消し(東京地裁平成17年1月28日判決・労判890号5頁-宣伝会議事件)が否定されています。

このように、採用内定といえど、内定者は一定の保護を受けます。
内定に関して何か疑問やお悩みがございましたら、一度ご相談ください。

(弁護士 佐藤 優樹)

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2014年4月17日 (木)

会社は、試用期間中であれば、労働者を自由に解雇できるのか

 会社がこれから本格的に雇おうと思っている人について、その能力、資質があるかどうか判定するために、試用期間を設けることがあります。このような制度を設定している会社に置いては、就業規則に定めがあり、試用期間中に能力等に問題がある場合には、本格的に雇用することを拒むことができると定めています。

 労働者は、試用期間終了後、会社から、本格的に雇用することを拒まれた場合、不服ながらもそれに応じるしかないのでしょうか。

 会社が本雇用を拒むことができるのは、限られた場合です。
試用期間中の労働者が本雇用を拒否された事件において裁判所は、
・試用期間といえども、それは、雇用である
・ただ、通常の雇用と違って、試用期間中の雇用には、解雇権が保持されている(裁判例では、これを解雇権留保付き契約と言っています)
・この解雇権の行使には、採用決定の時には、会社が知らなかった事実または、知ることが期待できない事実を知った場合で、引き続き雇用することができないと認められる場合のみ、行使できる(合理性と相当性の要件をクリアする必要があります)
と判断しています(最大S48.12.12労判189号16頁)。

試用期間といえども、会社は、自由に、労働者を解雇することができないということです。試用期間といえども、採用が決まれば、他の内定を辞退し、その会社に絞ります。それにもかかわらず、試用期間終了後、本雇用されないとなれば、労働者は多大な不利益を被ります。この裁判例は、労働者の利益を一定程度、保護するものだといえます。

 試用期間後、大した理由もなく、本雇用を拒否され場合には、会社の処分の有効性を争うことが可能な場合あります。そのような方は、一度、弁護士にご相談ください。

(弁護士井川夏実)


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有給休暇について

取得率が低いことで有名な年次有給休暇。皆さんも余り意識されていない

のではないでしょうか。

  有給休暇は,法律上の要件を満たせば当然取得できるものです。それは,

①雇用されてから継続して6か月間勤務すること,②全労働日(所定労働時

間のことで,契約で働くこととされている労働時間)の8割以上出勤するこ

とです。

  この要件を満たしていれば,10日間は有給休暇をもらえます。その後も

勤務を続ければ,もらえる最低日数も増えていきます。

  なお,週の所定労働時間が短いパートタイム労働者については,もらえる

有給休暇の最低日数は10日よりは少ないです。

  そして,もらった有給休暇は,原則として,何時でも使うことができま

す。会社側は要求された日に休まれると業務が妨げられるときに限って,別

の日に有給休暇を与えることができます(時季変更権)。「業務」が妨げら

れる場合であることが必要なので,所属している部署が忙しくなる等の理由

だけでは,会社側は有給休暇の取得日を変更することができません。もちろ

ん,休暇の理由は基本的に関係ありません。

  取得率が低いことで,有給休暇の取得が問題となるのは離職直前に一気に

消化することが許されるかどうか,という点です。余った有給休暇を買い取

るよう要求する権利まではないので,離職しようとした人は,残っている有

給休暇を離職日までにすべて消化することになります。

  離職日までに消化しきれない有給休暇については,残念ながら,放棄する

ような形になります。離職日までに消化しようとした有給休暇について,会

社側が先ほど述べた時季変更権を使うことができるかについては,考え方が

分かれています。もし,時季変更権が認められて,離職日以降の日に変更さ

れると,その有給休暇は無駄になってしまう可能性があります。

 ですので,有給休暇は計画的に取得されるのが望ましいですね。

(弁護士  髙 井 善 達)

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2014年4月 2日 (水)

コンビニ店長は労働者か

店舗の店長が、実態は一般の労働者と同様に働いているのに、業務委託だから労働者ではないなどと会社から言われて過酷な条件で働かされ、条件の改善を求めてユニオンに加入する動きが最近多くみられます。

このような中で、先日(平成26年3月20日)、注目すべき労働委員会の命令が出ました。「コンビニの加盟店主は労働組合法上の労働者にあたる」というものです(なお、この命令は労働組合法上の労働者に関する判断であり、労働基準法上の労働者に関する判断ではないので、この点ご注意ください。)。

報道によると、この労働委員会の判断は、コンビニ店主が労働者に当たるかの判断は全国の労働委員会でも初めての判断であるとのことで、今回の判断が他の事案に与える影響は大きいと思われます。

事案としては、コンビニ(セブンイレブン)の加盟店主で組織されたユニオンが、会社(セブンイレブン)に対して団体交渉を申し入れたところ、会社から、「加盟店主は独立した事業者で労使関係に無い」として拒否されたため、労働委員会に救済を申し立てたというものです。このような事案で、岡山労働委員会は、加盟店主は労働組合法上の労働者にあたると判断し、会社の団体交渉拒否は、不当労働行為にあたると認定しました(岡山県労働委員会平成22年(不)第2号不当労働行為救済申立事件)。

労働委員会は、労働組合法上の労働者に関する最高裁の判断要素に、事案を詳細に当てはめた上で、次のように述べ、会社の団体交渉拒否は不当であると述べています。

「本件フランチャイズ契約が、多くの加盟店主とその家族の生活に直結するものであることに照らすと、加盟店主
に労働組合法上の労働者性を認め本件フランチャイズ契約の内容、条件等に関する事項について、会社との交渉の場を開くことが肝要と考える次第である。」

これまで、コンビニの加盟店(フランチャイジー)の店主は、会社(フランチャイザー)と対等な立場で労働条件などの交渉をするのは事実上困難な面がありました。今回の労働員会の判断は、会社との団体交渉の可能性を開かせたものといえます。

報道によると、セブンイレブン側は、今回の命令を不当として再審査の申立や行政訴訟を考えているとのことで、最終的な結論が出るのはまだ先と思われますが、加盟店の店長の労働者性は大きな争点で、今後の判断が注目されます。

(弁護士岩永愛)

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