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2014年4月21日 (月)

採用内定の取消し

前回、試用期間中の解雇について取り上げましたが、今回は採用内定の取消しについてです。

採用内定は、企業への就職が決まってはいるけれども、まだ実際に働いているわけではないという意味では、中途半端な状態といえます。

この採用内定という状態は、法律的にはどのような状態といえるのでしょうか(①)。
また、企業の側は、内定を自由に取り消すことができるのでしょうか(②)。

まず、①について。
一口に採用内定といっても具体的には様々でしょうから、ここでは、内定者に対し、ある時期には所定の事情が発生しない限り間違いなく入社させる旨の通知がなされ、他社への就職活動を停止して必ずその時期に入社する旨の誓約書を提出させているようなケースを前提とします。

そして、このようなケースの場合、裁判所は、労働契約が成立していると判断するのが一般的です。
ただし、企業側に、一定の場合には解約することのできる権利が留保されているとされることがあるなど、実際に働き始めている労働者と比べると、内定者の立場が弱いことは否めません。

次に、②について。
企業が内定を取り消すことがありますが、企業は自由に取消しをすることができるのでしょうか。

これについては、最高裁判所の判例があります(最高裁昭和54年7月20日判決・民集33巻5号582頁-大日本印刷事件)。
最高裁は、内定の取消しは、「採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られる」と述べています。

そして、この判例のケースでは、内定者の「グルーミーな印象」を理由とした内定取消しが許されないと判断されています。

他にも、客観的な裏付けを欠く悪い噂を理由とした取消し(東京地裁平成16年6月23日判決・判タ1163号226頁-オプトエレクトロニクス事件)や博士号取得のための研究を理由に入社前研修の一部に参加しなかったことを理由とする取消し(東京地裁平成17年1月28日判決・労判890号5頁-宣伝会議事件)が否定されています。

このように、採用内定といえど、内定者は一定の保護を受けます。
内定に関して何か疑問やお悩みがございましたら、一度ご相談ください。

(弁護士 佐藤 優樹)

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