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2014年6月

2014年6月 6日 (金)

過労死防止法と労働時間規制

5月27日、衆議院において、過労死等防止対策推進法案が可決されました。
今後、参議院での可決を経て、今国会中に成立する見通しです。

この法案は、過労死(過労に起因する自殺を含む。)の防止を国の責務と定め、国に、過労死の防止のための対策(調査研究、啓発、相談体制の整備等)や年次報告等を行うことを義務づけるものです。
したがって、この法案自体において具体的な施策が定められているわけではないのですが、国の責任を初めて法律に明記したという点において、画期的なものと評価できるのではないでしょうか。

しかし、その一方で、最近、政府では、労働時間規制の緩和が議論されています。
具体的には、労働時間ではなく、成果によって報酬を決める制度の導入が検討されています。
この制度の対象となると、時間外という概念がなくなりますので、時間外手当がなくなることになります。

制度設計については現在議論がなされているところで、一定の年収以上の労働者に限るなど、対象は一部の労働者に限定されるものと思われます。

緩和を推進する立場の人々は、働く時間を労働者の裁量に委ね、時間外手当をなくすことで、長時間労働を是正することができると考えているようです。
これに対しては、時間外手当がなくなり、いわば合法的にサービス残業をさせることにつながり、その結果、過労死、過労自殺を助長させかねないと懸念する意見があります。

このように、労働時間規制を巡る制度設計は、過労死問題と密接に関連するものです。
政府には、規制緩和ありきではなく、過労死等防止対策推進法の趣旨に則り、労働者の健康を維持し、過労死を防止するためには、いかなる労働法制が望ましいのかという観点から議論をすることが求められます。


(弁護士 佐藤 優樹)

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