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2014年7月

2014年7月31日 (木)

出向・配転命令について

 先日,コピー機大手の(株)リコーが,約100人に対する出向や配転

命令を取り消す方針を固めたとのニュースがありました。

 報道によりますと,この出向や配転命令は,希望退職に応じなかった社

員に対してなされたもののようです。この出向等については,人事権の乱

用で無効であるという判決も出されているようです(朝日新聞デジタル2014年7月19日)。


 以前,コナミデジタルエンタテインメントの社員が提起した配転命令無

効確認訴訟について言及した時に,従業員を退職に導くための「追い出

し部屋」への配置転換だということになると権利濫用で無効となるので

はないかと述べましたが,「追い出し部屋」への配置転換が法律上認め

られないものだということを企業側も認識せざるを得ないのではないでし

ょうか。


 ちなみに,リコーの出向命令を無効とした,東京地方裁判所平成25年

11月12日判決では,競業他社と比較して固定費の割合が高く人件

費の抑制を図ろうとすることには一定の合理性は認めています。ただ,

①削減すべき余剰人員の割合について客観的・合理的根拠が明らかで

はない,②人選基準の合理性,過程の透明性,人選作業の慎重さや緻密さ

が欠けている,③余剰人員の人選が退職勧奨の対象者を選ぶために行

われたものである,④それまでのキャリアや年齢に配慮した異動とはいい

難いこと等,出向命令が退職勧奨を断った者が翻意し,自主退職に踏み

切ることを期待して行われたものであること等から,人事権の乱用であ

ると判断しております。


(弁護士  髙 井 善 達)

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2014年7月14日 (月)

ホワイトカラーエグゼンプションって何?

 最近、ホワイトカラーエグゼンプションという言葉が、新聞やニュースでも聞かれます。この精度は、安倍内閣が推進する成長戦略の1つで、これを実現するため、労働基準法の改正案が来年の国会に提出される可能性があります。

 ホワイトカラー・エグゼンプションは、労働基準法で定められた1日8時間の労働時間という規制を廃止し、働いた時間の長短なく、成果によって、賃金を支払う仕組みです。この制度が対象とする労働者は、どのような年収・業種の労働者を対象とするかは、今後、決まっていくようですが、「専門部門の幹部候補に限るべきだ」といった案などが出ています。

 この制度の意義について、田村憲久厚労相は「(対象となる職種が)成果をしっかり測ることができるのであれば、効率的に働けばワーク・ライフ・バランスがよくなる」と説明しています。

 しかし、この制度を安易に認めてしまえば、大きな問題が発生する可能性が高いといえます。以下のような問題点が考えられます。
・通常の労働時間では達成が不可能な成果を求められ、過酷な長時間労働を強いられる可能性がある
・労働時間が自己管理なので、通常の労働時間では達成が不可能な成果を求められても、残業や休日出勤をしても手当が支払われない。結果、賃下げにつながる恐れもある。
・過労死や病気で倒れても労働時間が自己管理なので、労災の適用が受けられない可能性がある

 ホワイトカラーエグゼンプションは、長時間労働を強いられる、しかも、残業代が支払われないという労働者にとって、重大な問題をはらんでいます。今後の政府が導入を進める制度が、問題点をクリアしているのか、今後の動向に注目していきたいですね。

(弁護士井川夏実)


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2014年7月 8日 (火)

不倫を理由に懲戒できるか

 同僚の社員と不貞をしたことを理由に、会社が社員を懲戒処分にすることは許されるでしょうか。

 従業員の不倫行為自体は、それがセクハラなどに該当しない場合基本的に私生活上の非行行為に過ぎません。

 判例上、社員の私生活上の非行行為について、会社が懲戒処分を出来るのは、「会社の社会的評価に影響を及ぼす悪影響が相当重大であると客観的に評価される場合」(日本鋼管事件・最高裁昭和49年3月15日)などに限定されています。

この裁判例は、不貞に関するものではなく、刑事罰を受けたことに関する裁判例ですが、私生活上の行為が懲戒の対象になるかについて、一定の場合には懲戒の対象になることを示しています。

この裁判例から考えるに、基本的には懲戒処分は許されないが、不倫によって会社の社会的評価が重大かつ客観的に低下したような場合については、会社が不倫をした従業員を懲戒処分にすることができる可能性はあると考えるべきでしょう。

実際に、不倫を理由とする懲戒処分が問題となった裁判例を見てみると、処分を有効としたものと無効にしたものとがあります。

たとえば、妻子ある教師が教え子の母親と不倫をした事案で、生徒への悪影響や学校の名誉を損なったことなどから懲戒解雇を有効としたものもあります(白頭学院事件・大阪地裁平成9年8月29日)。

また、その一方で同僚男性と不倫をした女性事務員に対する懲戒解雇が無効とされたものなどもあります(旭川地裁平成元年12月27日)。
 具体的にどのような場合に懲戒処分が許されるかは事案によりますので、ご相談下さい。

(弁護士岩永愛)

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