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2014年8月27日 (水)

労働審判について

労働事件の解決方法として、労働審判という制度を利用する方法があります。労働審判制度は、平成18年に出来た制度ですが、最高裁判所行政局の統計によると、労働審判申立件数は制度設立以来増加をたどっています。今回はこの労働審判制度について説明したいと思います。

1 対象事件
労働審判制度は、裁判官である労働審判官1名と民間から選出された労働審判員2名の合計3名で構成される労働審判委員会が審理し、紛争解決を図る制度です。
労働審判制度は、労働者と事業主との間の労働紛争を対象としています。
たとえば、最近増加している、パワハラによる損害賠償請求を例に挙げると、パワハラをした上司に対する直接の請求は、事業主との間の紛争ではないため、労働審判の対象とはなりません。ただ、使用者責任などを理由に、上司を使用する事業主に対して請求する場合は、労働審判の対象となります。

2 審理期間
また、労働審判制度の特徴として、審理が迅速であることが挙げられます。
申立がなされてから概ね40日以内に第1回期日が指定され(規則13条)、主張書面や証拠を期日前に事前に裁判所に提出する必要があります。
労働審判は、原則として、3回以内の期日で終結しなければならないと法律上定められており、第1回期日から、利害関係人(当事者、会社代表者、人事担当者など)の出席が求められ、審尋(証拠調べ)が行われています。

3 終局事由
統計を見ると、労働審判申立の終結理由は、調停成立が全体の7割程度を占めており、多くの事件が調停成立で終了しています。調停が成立すると、裁判上の和解と同一の効力が生じます(法29条、民事調停法16条)
また調停が成立しない場合には、労働審判委員会が、労働審判を行い、判断を示すことになります。
(なお、労働審判委員会は、「労働審判手続きを行うことが紛争の迅速かつ適正な解決のために適当でないと認める時は審判手続きを終了させることが出来る」とされており(法24条1項)、事案が複雑であるなど労働審判制度で解決困難な事件等については、審判を行わないことも出来ます。しかし、このような終了理由は終結事件全体の3%程度に過ぎず、複雑な事件であっても、極力調停・審判を目指すという運用がなされているようです。)。

4 おわりに
労働審判制度は、労働者と事業主との間の労働紛争について、短期間の間に、実効的な解決を図ることを可能とする制度です。しかし、限られた審理期間の中で主張立証をし尽くさなければならないので、専門的な知識がないと対応が困難となることが予想されます。労働審判を利用される方、もしくは労働審判を申し立てられたという方は、是非ご相談下さい。

(弁護士岩永愛)

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