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2014年12月15日 (月)

残業代等の請求期間について

残業代請求事件は、労働関係訴訟の中でも件数が多く実務上重要ですが、時間との勝負になることが多いで
す。

残業代請求の消滅時効は2年とされており(労基法115条)、請求日より2年以上前に支払日が到来する残業代請求権は消滅時効にかかってしまい、請求出来なくなる可能性があります。

 また、残業代請求を認容する判決には、「付加金」の支払を命じる場合がありますが、この付加金の請求は「違反のあった時から2年以内にしなければならない」と規定されています(労基法114条ただし書)。(付加金とは、労基法上支払いが命じられている金銭を支払わなかった使用者に対して、労働者の請求により裁判所が命じる未払い金と同一額の金銭のことをいいます。)

そして付加金を請求できる「2年」という期間は消滅時効期間ではなく除斥期間とされており、基本的に2年以内に訴えを提起する必要があります。

内容証明郵便で残業代を請求(民法153条)することで、残業代請求権自体の時効消滅は止めることが出来たとしても、付加金の請求権の消滅を防ぐには不十分で、注意を要します(消滅時効と除斥期間とは、どちらも一定期間権利が行使されないことによって権利が消滅するという点で共通しますが、消滅時効は一定の場合に時効中断(民法149条)といって権利の消滅を止めることが可能であるのに対し、除斥期間には中断という制度がないなどの違いがあります。)。

また、労働審判では付加金の支払を命じることは出来ないとされていますが、労働審判の申立書には付加金の請求を記載しておく方が無難です。労働審判で調停が成立せず、訴訟に移行した場合には、労働審判手続きの申立がなされた時に訴えの提起があったものとみなされるので(労働審判法22条1項)、労働審判の申立時点で2年の除斥期間の経過による付加金請求権の消滅を防ぐことができるからです。

このように、残業代などを請求できる期間には限りがあります。会社側との交渉に時間を割いているうちに、気づいたら時間の経過によって請求権が消滅してしまったなどの事態が生じかねません。早めに専門家に相談するなどし、適切な手続きをとる必要があります。
 
(弁護士岩永愛)

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