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2013年8月 5日 (月)

労働者の権利と義務

 アルバイトや正社員として働き始めたとき,労働者は会社に対し,どのような権利を有し,義務を負っているのでしょうか。

 労働者と会社との法律関係は,雇用契約や労働契約と呼ばれています。

 その本質的な内容は,①労働すること,②①に対する報酬を支払うことにあります(民法623条,労働契約法6条)。

 ただ,それ以外にも色々な権利や義務があります(労働者の権利としてはボーナスや有給休暇など,義務としては残業や転勤など)。このような権利や義務はどこから生じるのでしょうか。

 法律上の原則は,契約当事者の合意が権利や義務の発生根拠となります(民法623条,労働契約法6条)。例えば,労働者が転勤があることを了解していなければ,雇用主は労働者を転勤させることはできません。

 もし,明示していた労働条件と事実が違うときには労働者はすぐに契約を解除することができます。解除することで帰郷する労働者に対しては,会社は必要な旅費を払わなければなりません(労働基準法15条)。

 一度決めたものを変更することも可能です(労働契約法8条)。

 このように,原則は,契約当事者の合意が権利や義務の発生根拠ですが,労働者は立場的に弱いことから,法律で保護されています。それが労働基準法などです。労働基準法に決められている基準に満たない内容の労働契約は,基準を満たしていない部分が無効になり,労働基準法で定められた基準が契約の内容になります(労働基準法13条)。

 ただ,「労使協定」を締結することで,時間外・休日労働をさせることができたり(労働基準法36条)するなど,一定の法規制を緩和することができます。

 「労使協定」というのは,労働者の過半数で組織する労働組合がある時にはその労働組合と,無い場合には労働者の過半数を代表する者との間で書面でした協定のことです。労働基準法以外にも雇用保険法や育児・介護休業法(育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)などにも労使協定によって一定の法的効果が与えられています。

 また,一般的に雇用契約は,1人の雇用主と多数の労働者との契約で,いちいち1人1人と細かい内容の契約をすることが大変であることから,労働基準法は,「労働協約」又は「就業規則」によって,労働者の権利や義務を画一的に定めることを認めています。

 「労働協約」というのは,労働組合と雇い主等との間でした合意で,書面を作成し両当事者が署名等することで有効となるものです(労働組合法14条)。

 「就業規則」というのは,一定の人数の労働者を雇っている会社が作成することを義務づけられているもので,賃金や退職に関する事項などを記載したものです(労働基準法89条)。労働者の過半数で組織する労働組合か,それがなければ労働者の過半数を代表する者の意見を聞いた上で作成や変更をすることができます(同法90条1項)。①合理的な労働条件が定められていて,②労働者にその内容を周知させていた場合には,その内容が労働者の権利や義務となります。但し,就業規則の内容とは違う条件で合意することはできますし,労働者と会社との合意内容が就業規則に決められている条件に満たない場合は,労働契約は無効となり,その部分は就業規則に決められている内容が労働者の権利や義務となります(労働契約法12条)。

 労働者との合意をしないで就業規則を労働者の不利益に変更することは基本的にできませんが(同法9条),一定の場合には不利益に変更することが可能です(同法10条)。

 このように,労働者が会社に対し,どのような権利を有し,義務を負っているかは,①労働契約,②労働協約,③就業規則,④労働基準法等の法律,⑤労使協定などを検討する必要があり,複雑です。


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2012年6月15日 (金)

業務の心理的負荷

東京地裁平成23年 3月 2日判決(労判 1027号58頁)

 大手スーパーの店舗の鮮魚部チーフとして稼働していた従業員が、気分障害又はうつ病の精神障害を発病して自殺したというケースです。
 労基署は、労災保険法上の遺族補償給付等について不支給処分でした。
 そこで、遺族が提訴し、この判決となりました。

 判決では、労災認定が可能なので、不支給処分は取り消されるべきという判断です。

 このような精神障害による場合は、 
  業務の心理的負荷
というところを見ます。

 裁判所は、このケースについて
 ・ 短期間に他店に異動している
 ・ 新任のチーフへの就任,新装開店準備業務の担当等といった出来事の重なり
 ・ チーフ就任に伴う業務の質的・量的な増加
 ・ 新装開店後の売上増を期待される立場に置かれたことに伴う強度の精神的プレッシャー
 ・ 周囲の支援状況
 ・ 長時間労働による疲労の蓄積
を検討し、業務の心理的負荷の総合評価は,「強」と認定しました。

厚生労働省は、2011年12月26日に
「心理的負荷による精神障害の認定基準について」
という通達を出しており、労基署はこの通達のもとに現在では運用を行なっています
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/dl/120118a.pdf
(PDFファイル)


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2012年6月 6日 (水)

執行役員は、労災の対象である「労働者」といえるか

労災の対象者は、「労働者」です。
会社の社長は「労働者」ではありませんから、労災は適用になりません。

会社の役員も「労働者」ではないのですが、最近は、名ばかり管理職、つまり、実態は労働者であるということもあります。
こういう場合は、労災の対象になります。

東京地裁平成23年 5月19日判決(労判1034号62頁)は、執行役員とされていた方に対して、「労働者」であると認定したケースです。

労働者であると認めた理由は次のようなものです。
1 役員報酬ではなく,基本給名目で報酬の支払を受けていた。
(つまり、執行役員に対する報酬について,取締役とは異なる報酬体系及び経理処理がとられていたことを示す)

2 執行役員は,一般取締役より報酬ベースが低くされていた(これも1と同じく取締役とは異なることを示す事実です)

3 執行役員の報酬の支払は,経理処理上,本件会社の従業員に対する賃金支給として処理されていた

4 会社の指揮監督の下で建設機械部門における営業・販売業務を行っていた

 このような
  業務実態,会社による指揮命令,報酬の労務対償性
という点を総合考慮して、裁判所は判断しています。

 この辺は会社によりけりでしょうから、このようなケースが問題となる場合は、弁護士になどによる綿密な調査が必要とされてくるでしょう。

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